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アルバート家の令嬢は没落をご所望です 感想。

全8巻の長編小説です。

長編といえば以前読んだ「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」ですね。

 

 

 

それでは続きを読む、からスタートです。

簡潔な感想

昨今豊富すぎる「悪役令嬢モノ」ですが、こちらの作品は個性が良い感じに出ていたと思います。

乙女ゲームの世界を舞台に〜と定番中の定番ですが

他と比べてそんなに乙女ゲームならではのイベントとかの情報でわちゃわちゃすることもありません。

ただ「悪役令嬢に徹するけど上手くいかない転生令嬢のお話」として読めます。

 

一風変わった主人公の目的・目標

悪役令嬢モノの定番といえば、「破滅(処刑・追放)フラグ回避の為に行動」です。

ですがこの作品の主人公:メアリは他作品の主人公が必死で回避しようとしている「破滅フラグ」に進もうとしています。

別に被虐趣味のようなモノがあるわけではないです。

破滅フラグへ向かおうとする理由はアルバート家をこれ以上大きくしない為」。

アルバート家は王族に近いぐらい規模の大きな一族。

ただでさえそれを良しとしない他貴族が居るのにこれ以上大きく地位が高くなれば争いが多発する。

それを避ける為に彼女は乙女ゲームの主人公をいじめ抜く悪役令嬢」に徹して

ストーリー通りに破滅・没落を迎える気でいるのです。

 

従者:アディと主人公の関係

この作品で注目すべき所はたくさんあるのですが大きく取り上げるべきはこの二人の関係ですね。

主人公メアリと一緒に没落エンドを迎えようとする人物がいます。

それは彼女の従者:アディです。

 

彼はメアリの言う「原作乙女ゲームではああだったこうだった」という話をちゃんと聞いてくれる存在です。

大抵の悪役令嬢モノではこういった「理解者・話し相手」の存在が軽薄どころか存在しないことが多いです。

 

同じように原作乙女ゲームの世界観・システムを知っている存在と言ったら

「原作乙女ゲームの主人公ポジション(大体嫌な奴だったりおかしかったりする)」

「悪役令嬢ポジションとはまた別のライバルキャラ(高確率で上と同じような性質だったりする)」

ってのが多かったですし。

主人公に近い存在で「理解者」というポジションは珍しく、重要な存在です。

 

しかも「それで、原作じゃ○○はどうなってたんです?」と変に疑わずに主人公の話を聞いてくれる。

こういう頼もしい存在が欲しかった、と強く思います。

 

周囲のキャラクター

この二人の周囲のキャラクターは勿論乙女ゲームの登場人物なわけですが、個性的なキャラが多いです。

まず原作乙女ゲームの主人公:アリシアはメアリが大好きな少し暴走気味の天然娘ですし、

元婚約者のパトリック(アリシアと結ばれるキャラ)はクール一色かと思いきや所々面白い人ですし。

 

そんな人たちに振り回され、また振り回しながらこの小説は進んでいくのです。

 

最後に

珍しいタイプの悪役令嬢作品を読むことができました。

こちらの作品はよくある「フラグ回避しようとしたのに逆ハーレム!?何で!?」はありません。

何だかオチが90年代辺りにあった「もう〇〇はこりごりだ~!」って言って黒背景円形フェードアウト(下図参照)ってノリですし。

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周囲の人々が騒がしいので主人公と従者が大体ツッコミ。

たいへん面白い作品だと思いました。

 

今回はここまでとします。

ありがとうございました。