忘却のルーンをかけておいた。
(某所での発言)
それでは続きを読む、から感想です。
十年間、王宮に軟禁されて働いていたルーン魔術師のヴァン・ホーリエン。
彼が軟禁されているうちに国王が代替わりし、新女王とヴァンの代わりとされるイケメンルーン魔術師によって、ヴァンは時代遅れの無能と評され追放させられてしまう。
しかしその新しい女王たちは、ヴァン・ホーリエンが過去に失われた技術『古代ルーン魔術』の使い手であることを知らなかった。
長らく軟禁状態にあったヴァンは、自身の技術が時代遅れだということを信じてしまい、旅に出ようと思い立つ。
しかしその道中、魔物に襲われている隣国の王女を救出。
王女を国元へ送り届けることになる。
一方、ヴァンを追い出した王国では、ヴァンの真の実力を把握している者たちが大混乱に陥り、やがてヴァンの力を失った国そのものが堕ちていくのだった――。(あらすじより引用)
評価:★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
簡潔な感想
話の流れ的にはあるあるな追放モノ。
ですが、この作品はあるある追放モノ、で終わらずに少し良い部分を付加できたのではないかな?と思います。
主人公を追放したことで愚かさを痛感するキャラが少ない
追放モノあるある。
「主人公を追放した奴らの破滅というか愚かムーヴ」。
大抵の作品では追放したグループみんな揃って主人公の能力見極められませんでしたザマァ、なんですけど
この作品で愚かをさらしたのは主人公を追放した女王と彼女が連れて来たルーン魔術師。
七英雄と呼ばれる英雄達は主人公が国にとって重要な存在であることを知っていましたから、
彼が国を出ていったことを知らされた時「あーあ、やっちまったな」と口々に呆れの言葉を女王達に投げつけます。
これ、本当によかったかもしれない。
他作品で見られる「組織全体が主人公の重要性を見極められず、任務失敗や不調続きに関して責任転嫁しあいギスギスしだす」。
私このシーン苦手なんですよね。
主人公をageたい気持ちは分からんでもないけど、そこまで知能下げる必要ないやん?……みたいな。
七英雄の皆さんは主人公が重要な存在であることを知っている。
そこに安心しました。
「必要とされること」
さて、自身のルーン魔術が人々の役に立ち、隣国の王女たちの命の恩人となった主人公の元に一人の男がやってきます。
それはもうわかりきっていましたが主人公の代わりにルーン魔術師としてやってきたガルマです。
愚かムーヴをかまして主人公にあっさりやられて退場……かと思いきや。
「道具扱い」で「必要とされる」主人公と「(七英雄たちから)必要とされない」ガルマ。
その対比を嘆いて主人公にルーン魔術を放つ。
……という
ちょっとドラマが始まりそうな展開を見せつけてきました。
凄い、凄いよ。
私が追放モノあるあるにやれやれしてた所に一陣の風。
良い刺激になりました。
最後に
刺激となる部分は沢山あったんですけど、
他のシナリオ展開とかはまあ定番みたいな感じだったのでそこそこな評価。
次巻がどうなるか。
今回は以上です。
ありがとうございました。