それでは続きを読む、から感想です。
宮廷魔導院で薬士として働くリーナ。
突然、王太子から婚約破棄を突きつけられ、これ幸いと仲間の精霊達と王都を飛び出した。
ひょんなことから湖上の小都市に移住したリーナは、さっそく薬草園を作り、第二の人生をスタート!
超珍しいポーションをあっさり作ったり、精霊の女王に気に入られたりと無自覚チートを連発しまくって――!?
稀代の薬士令嬢の自由気ままな異世界ファンタジー!
(あらすじより引用)
評価:★★★★★★★★☆☆(8/10)
簡潔な感想
かわいい表紙&あらすじに騙されてはいけない。
想像していたよりずっとハード。(追放した側が)
以前読んだ
「村の年寄りたちがめちゃくちゃ理不尽で主人公含めた若者を虐げてくる小説」
を彷彿とさせるハードさ。
お願いします。
騙されないでください。
よくある追放モノだけど過剰なageは無し
序盤は悪役令嬢モノ、追放モノにありがちな
「催事中の婚約破棄からの国外追放」。
そこから有力商人に誘われて新天地で無双レベルの大貢献。
だけど彼女を追放した王国は……
なんていう定番中の定番。
だけどこの作品には過剰な主人公ageは無しというか目立たない。
やってるageといえば、
「主人公が難なく作ってみせた薬品などが新天地となる都市ではたいへん価値のあるモノだった」
「こんなに効果が絶大なモノが安値で売られているなんて!!」
……みたいな。
まあ彼女を評価してくれる人たちは商人が殆どだからね。
そこのageはまあ有り得なくはないよねっていう。
だ、誰がそこまでやれと……!!
もちろん追放モノが含まれる作品ですから、
定番の「追放した側ざまぁ」があるわけです。
ただこの作品の「ざまぁ」、結構えげつない。
手始めに
「今まで主人公がやって上手くいっていたことが、彼女が居なくなったことで上手く立ち行かなくなる」。
- 薬品の価格高騰(主人公が低コストで製作できていたから安かった)
- 河川や池が毒沼化(主人公が水の精霊と交渉していたから綺麗だった)
これらが続くことにより王国は大きく傾いていきます。
だが地獄はここから。
主人公に婚約破棄を突きつけた王子に取り入った女がとんでもない野心家で、
彼女の野心の暴走によって国が大混乱に陥ります。
その所為で国王が死に、王子も死ぬ。
冒頭で「やだ~〇〇ですぅ~」とか言ってた女が
最後には歴戦の女傑みたいな口調になってたのはめちゃくちゃ驚きました。
野心家ってすげぇ。
浅田は「王子が醜態さらして、女の本性が暴かれて、国が滅びて終わり!!」
がこの作品の「ざまぁ」だと思っていたんです。
ですが実際読んでみれば、
「だ、誰がそこまでやれと……!!」と若干引きました。
えげつねぇ。
最後に
ラストで主人公に商人さん(彼女を救ってくれた青年)が求婚してくるんですけど、
彼殆ど主人公のチートさにリアクションしまくってただけだったような……。
もうちょっと描写が欲しかったかな、と思います。
今回は以上です。
ありがとうございました。