ずっと前から読もうとしてた奴。
それでは続きを読む、から感想です。
「我が世界をお救いくださいませ、聖女様」
桜が舞う春のある日、虎屋笑美は異世界の魔法使い・サイードに声をかけられた。
幼い頃から異世界に憧れを持っていた笑美は、ふたつ返事で承諾したけれど、彼女が期待されていたのは、“異世界を救うための聖女”ではなかった!?
「ねえサイードさん、謝ってくれてもいいのよ?」
聞いていないことだらけの異世界を救う旅の中で、
壺姫と呼ばれるようになった聖女が贈る、
涙と笑顔の異世界トリップストーリーが大幅加筆で登場!(あらすじより引用)
評価:★★★★★★☆☆☆☆(6/10)
簡潔な感想
ドロドロに甘やかされていたり、チートで持ち上げられている感じはあまりなかったかな。
頭部が壺な少女が勇者たちと一緒に魔王討伐。
シンプルに面白かった作品です。
ただちょっと恋愛オチにするには甘さというかそこに至るまでの経緯が足りないかな、と思いました。
冒険の最後まで壺姫を貫き通していたのは好き
この作品の主人公:笑美は異世界の魔法使いに連れられ異世界にトリップ。
でも異世界に来た笑美の姿は「頭部が壺」というとんでもない状態に。
原因は先に異世界に来ていた勇者:冬馬が「ツボな女を連れてきてほしい」と言ったこと。
それを聞いた魔法使いは「頭部が壺な女」を連れてきた、と。
もうめちゃくちゃな冒険の始まりに私は混乱しましたね。
いきなり主人公が異形頭とはね……。映画泥棒みたいになってたし。
でも慣れるとそこまで変に思わなくなりました。
可愛らしいし。
あと良かったのは「魔王討伐という冒険の間に壺状態が解除されなかったこと」。
この手の話だと、「最初は変わった姿をしていたけど、最後には元の姿に戻って恋愛関係ハッピーエンド」が出がち。
だけどそれって結局は「元の姿が好きだから恋愛関係になった」ってことじゃね?……となっちゃう。
この作品でもし壺状態から元の姿に戻って恋愛関係……になったらちょっとモヤる。
しかしそれにはならなかったので安心しました。
壺状態から元の姿に戻ったのは魔王討伐後ですから。
元の姿に戻った、というより「元の世界に帰ってトリップし直した」から元の姿で会えたというか……。
チートは雑だけど嫌いじゃない
笑美の能力は雑にチート級ではありましたが嫌いな部類ではありませんでした。
淡々とチートして持ち上げられて……じゃなかったからかな。
まさか魔王討伐の決め手が彼女の雑な能力だったとはな……。
でもうだうだクドい説明付きでボコされるのはもっと嫌なので良かったのかもしれない。
ラストで怒涛の急展開
驚きは魔王討伐後にあったんじゃ。
笑美と冬馬が元の世界に帰り再会し、雑談をしていたとき。
冬馬が言い放った衝撃の言葉。
「父親が異世界人」。
更に異世界関係の真実が次々に判明し、最後には魔法陣を展開して笑美を異世界トリップさせるという流れに。
ちょっとちょっとラストが凄い凄い。
いきなり身内が異世界関係の人とか出されて意識が飛びそうです。
急にウィジャ・シャークめいてきたな……。
最後に
ハッピーエンドではあるが、怒涛の展開で無理矢理スッキリさせられたような。
モヤる暇をも与えない。凄い。
今回は以上です。
ありがとうございました。